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盲導犬はスーパードッグじゃないんです
盲導犬の育成ボランティアに関わるまで、実は盲導犬の事をよくわかっていませんでした。
「盲目の人を導く犬」 人が行きたい場所に犬が連れていってくれる。そんな風に思ってました。
特別に利口な犬が特別な訓練を受けて盲導犬になるんだ。
そしてその訓練はとても難しく、犬は厳しさに耐えながら訓練される。そうやって立派な盲導犬が誕生する、こんなふうに考えてました。
しかし実際は人が自分の判断で犬にたえず指示を出し歩きます。
盲導犬はどんなことをするのか。
まずは「座る」「伏せる」「待つ」「呼ばれたら来る」などの基本動作にくわえて、「まっすぐ歩く」「人の横について歩く」などを練習します。(指示はもちろん英語です)
このような動作は愛犬の「しつけ教室」などでペットの犬に教えることと同じです。
盲導犬が特別に覚える動作は「角をしらせる」「段差をしらせる」「障害物をしらせるまたは避ける」この3点です。
もちろん吠えて知らせるのではなく、角や障害物で止まり、段差では足をかけて知らせます。
この障害物とは邪魔になるものだけでなく、ドアや改札などもふくめて歩き進むのをはばむ全てひとまとめに障害物と呼びます。
犬は止まって知らせてくれるだけです。
一つの例えとして
家から徒歩でいきつけの喫茶店に行くとします。人は頭の中に喫茶店までの地図を描きます。
家を出てまっすぐ進んで二つ目の角を右に曲がります。
視覚障害者(ユーザー)には一つ目も二つ目も見えていません。
犬が一つ目の角で止まり教えてくれます。まだ曲がりません。
二つ目の角でまた止まります。右に曲がります。
角を曲がって少し歩けば喫茶店です。
ですが犬にはわかりません。
頭の中の地図と匂いを頼りに右か左かまっすぐか、考えて犬に指示を出します。
喫茶店のドアも犬にとっては障害物です。止まって教えます。
ユーザーと盲導犬はこんなふうに歩いてます。
ただし何度も行く場所に関しては、やがて犬は覚えるので「喫茶店に行く」といえば、喫茶店の入口で止まる事を覚えてくれます。
しかし初めて行く場所に関しては、あくまで主導権は人間にあります。
ハーネスでお仕事モード
ユーザーが盲導犬を伴って歩く時、ハーネスという胴輪を犬に装着し胴輪に付いている取っ手をにぎって歩きます。
犬はハーネスを付けるとお仕事モードになって歩きます。
ハーネスをはずせば普通の犬です。家ではおもちゃで遊んだり昼寝をしたりまったり過ごします。
盲導犬をまるでスーパードッグのように思っていましたが、そうではなく教えられたことをゲームのように実践している。
それがユーザーの歩く助けになっていると知りました。
もし街で盲導犬を見かけたら
「あたたかい無視」をお願いします。
盲導犬になる犬は人間が大好きです。ジッと見つめられたり、さわられたりしたら歩くことに集中出来なくなります。
特にデビューしたばかりの若い犬はハーネスを付けていても遊びモードになってしまいます。
盲導犬ユーザーからのお願い
- 食べものを与えない
- ジッと見つめない
- さわらない
ぜひご協力下さいませ。
人間と犬との共同作業、周囲の理解と協力があってこそ犬が盲導犬として存在しているのだと知りました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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