「24時間、もたないかもしれません」
まさかそんな言葉を聞くなんて、想像すらしてませんでした。
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元気に生まれるしか思ってなかった
ブリーディング・ウォーカーをしているわが家で、先日出産がありました。私と娘そして担当の職員さんがたちあいました。
最初に生まれたのは410グラムと標準サイズの男の子。元気に鳴いて、ママのおっぱいに食らいつきました。
少し間をおいて2頭目の分娩の気配がきましたが、あまりいきみません。引っ張り出すように出てきた子は息がありませんでした。
お腹のなかですでに亡くなっていました。2頭目は「死産」でした。
何が起こったかわからず呆然としてるところに、一頭目の子犬の身体チェックをしていた職員さんのたたみかけるような言葉。
「この子は口蓋裂です。24時間生きれるかわかりません」(実際はもっと色々話してくれてましたが覚えてないんです)
口蓋烈とは先天性の形態異常で、上顎に亀裂があり、口腔と鼻腔が通じた状態のことで、乳首を吸おうとしても空気が入るために吸えず成長ができない。ほうっておくと衰弱死してしまう。出産のときに子犬の口を確認することが大事です。
引用元 口蓋裂|犬の病気
希望が見えた
ただただ呆然とするだけの私と号泣している娘に、職員さんが「とにかく初乳を与えてみましょう」とおっしゃって、現実にもどりました。


お乳を少し絞ってスプーンにすっくて口へ運ぶとコクコクと飲んでくれました。このときに鼻から出ると飲めていないということですが、うまく食道にいってるようでした。
ママ犬のおっぱいにも一生懸命吸い付きますが、自力では飲めていません。ですが活発に動いてとても元気なんです。
そして獣医さんの診察を受けたところ、上顎の開きがそんなに広くないこと。誤飲肺炎もおこしてないこと。今わかる範囲では心臓などほかには異常がないことがわかりました。
問題は自力でお乳が吸えないということですが、逆に言えばお乳が飲めたら成長できるということでもあります。
希望が見えました。
人工哺乳
今、細い管を使って胃にミルクをおくる人工哺乳をしています。
24時間こえました。体重も増えてます。
手術について
亀裂の部分をふさぐ手術は生後3ヶ月くらいまで成長しないと出来ないそうです。生まれてすぐ麻酔をかけて手術するのは子犬の負担も大きいし、たとえ手術できても顎の成長でまた裂けてしまうからだそうです。
出産に当たり前なんてない
子犬が生まれる前はとても楽しみでワクワクしてました。
生まれたら子犬の可愛い様子とか成長を、楽しくブログに書いていくつもりでした。
2頭目が「死産」だったことは言わなければ誰にもわかりません。でも4頭兄弟って書いたら嘘になります。
2番めの子は亡くなってしまったけど、この子達は5頭兄弟です。

1番目の子は障害をもって生まれました。
有り難いことに3番目、4番目、5番目の子は何事もなく生まれてくれました。おっぱいをたくさん飲んで順調に体重も増えて元気です。
私は子犬は元気に生まれて当たり前と思ってました。「生まれたらお世話が大変だわ」とヘラヘラ笑ってました。
過去に戻れるならヘラヘラ笑ってた自分をぶん殴りたい気分です。「お前の大変さなんて鼻くそほどの価値もないわ」って言ってやりたいです。
この先も何がおこるかわかりません。当たり前なことなんてこの世にないってことを肝に銘じて子犬たちのお世話をさせていただきます。
最後に
楽しくないお話を最後まで読んでくださりありがとうございます。
今後の子犬の成長も書いていきたいと思ってます。よければまたのぞいてみてください。
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